【総裁選前倒し巡る攻防】きょうのオンレコード2025/08/28 19:00配信号

〈きょうの目次〉
1【参院選総括まとまらず】自民党 森山裕幹事長(総括委後の記者対応)
2【自由な発言を支持】平将明デジタル相(閣議後会見)
3 【総裁選前倒し要求へ】笹川博義農水副大臣(茂木派中堅・若手会合)
4【暫定税率】自民党 宮沢洋一税制調査会長(税調インナー後の記者対応)
5 【日印経済フォーラム】石破首相、モディ首相、経団連など
DEEP POLITICS 編集部 2025.08.29
誰でも

1自民党 森山裕幹事長(参院選総括委後の記者対応) 

【ひとこと解説】

 自民党による参院選の総括はこの日、まとまりませんでした。大敗した原因を巡る書きぶりに出席議員から「修正するべきだ」という意見が相次いだようです。ちょこっと取材してみると、自民党全体が敗因というような責任の所在が曖昧な書き方に不満が相次ぎ、総理総裁の責任もっと明確にするように求める声が大きかったようです。党執行部は、週明けの2日に改めて総括委員会を開いて文言を修正し、その日の午後に両院議員総会を開いて、正式なとりまとめとする方針です。その総会で森山幹事長が去就を明らかにするとみられ、大きな政局の分岐点になるでしょう。

要約

  • 参議院選挙総括委員会で素案がまとまり、意見を受けた。

  • 2日に再度委員会を開き、成案を得て両院議員総会に臨む予定。

  • 具体的な意見内容についてはコメントを控える。

  • 幹事長の進退については報告書がまとまった後に明らかにする予定。

  • 素案は次回会合までに追記や修正が行われる可能性がある。

キーワード

#森山裕 #参議院選挙 #総括委員会 #素案 #両院議員総会 #幹事長 #進退 #選対委員長 #意見 #報告書

全体で536字、約1分半で読めます

2平将明デジタル相(閣議後会見)

【ひとこと解説】

 石破首相の側近の一人、平デジタル大臣の閣議後会見です。総裁選を前倒しを巡る署名集めを巡り、党側が先日、署名捺印したうえで提出した後、氏名を公表する方針を打ち出しました。それに石破降ろしに中立的だった旧岸田派の中堅から「憲法が保証する投票の秘密に反する」と猛反発して、逆に署名すると宣言する議員が現れました。さらに、首相支持派からは、副大臣や政務官の場合は(前倒しを求めるなら)政府の職を辞めてからにしろ、といった声もあります。そうした反発を踏まえ、平大臣は自由な発言を支持しています。会見で発信することで、事態の沈静化をはかっているように感じられます。

要約

  • 豪州訪問でサイバー安全保障分野の意見交換を行い、連携強化を確認。

  • ソルトタイフーンへの対応で13カ国が共同署名し、サイバー安全保障を強化。

  • デジタル庁の令和8年度予算概算要求額は約6,144億円。

  • ガバメントAIプロジェクト「源内」で行政事務の効率化が進む。

  • 総裁選の前倒し巡り、政府の役職(副大臣や政務官)であっでも、国会議員として自由な発言、活動は支持されるべきだ

キーワード

#平将明 #デジタル庁 #サイバー安全保障 #豪州 #ソルトタイフーン #概算要求 #ガバメントAI #マイナンバーカード #総裁選 #政府役職辞任

全体で2,858字、約7分で読めます

3笹川博義農水副大臣(茂木派若手会合)250829午後@会館

【ひとこと解説】

 自民党の旧茂木派に所属した中堅・若手議員約10人が、国会内に集まり、総裁選前倒しを求める方針で一致しました。「まとめ役」の笹川氏が記者の取材に対応し、明らかにしたようです。他にも内閣から古川康国土交通副大臣、五十嵐清環境政務官も出席した模様です(他の出席者についても取材した記者のメモという形でリンク先に掲載しています)。茂木氏と言えば、すでに石破首相に公然と退陣を求めています。先日に麻生太郎副総裁と30分ほど会談しました。2日の両院議員総会、その後の総裁選前倒しの是非をめぐり、来週は新石破派と反石破派の暗闘が繰り広げられる様相です。

要約

  • 茂木派若手会合で総裁選の前倒しを求める方向性で一致。

  • 副大臣辞職の可能性については仮定の話として答えず。

  • 総裁選はフルスペックで行うことが望ましいと認識。

  • 総裁選は党員の意思確認の機会として重要視。

  • 報告書内容に関わらず総裁選前倒しを求める意思を確認。

キーワード

#笹川博義 #茂木派 #総裁選 #前倒し #副大臣 #フルスペック #党員 #意思確認 #挙党一致 #責任政党

全体で1,493字、約4分で読めます

自民党 宮沢洋一税制調査会長(税調インナー後の記者対応)

【ひとこと解説】

 ガソリンの暫定税率をめぐっての自民党の税調インナー会合でした。「税調インナー」というのは会長含む5人ほどの税調幹部の会合のことをさします。税をめぐる大事なことはヒラバ会合ではなくこの5人程度の「インナー(幹部)会合」で事前にすべて決めてしまうのが自民党の伝統です。この日は先日の与野党協議を受けて開かれました。野党の要望にそってガソリンの暫定税率(1リットルあたり25.1円)を廃止することでは与野党は一致しています。ただ、その財源として約1兆円(軽油も入れたら1.5兆円)をどうするのか?で与野党がなかなか一致出来ません。自民党は廃止する場合は代替となる恒久的な税財源を求め、野党側は税収の上ぶれなどでの対応を求めます。来週もこうした攻防が続きますが、少数与党ゆえ、税の番人といわれる宮沢会長も折れざるを得ないかもしれない、そんな吐露のような発言もにじむ会見です。

 さらに言ってしまうと、この会見で宮沢会長は「立憲民主党に野党をまとめて欲しい」と言っています。野党とはこの与野党会議に出席している立憲、国民、維新、共産のことです。実は野党側は暫定税率の廃止では一致している一方で、その代替財源では立憲は外為特会の剰余金、維新は租特の見直し、共産は法人増税、国民は税収上ぶれ分、とばらばらです。「野党側をまとめて欲しい」というのは財源でばらばらなところを突くことで野党側をもめさせたい?、という「税のプロ中のプロ」らしい巧妙な駆け引きをしているようにも見えるのです。

要約

  • 非公式会合で政府からの資料説明と意見交換を行った。

  • 立憲民主党から来週中の結論を求められたが、野党内の対応の違いに懸念。

  • 基本的に税財源が重要だが、他の財源も排除しない姿勢を示した。

  • 野党の具体的提案が不足しており、具体的な案があれば検討する意向。

  • 野党内での調整を立憲民主党に期待し、税財源のみでの合意は難しいと感じている。

キーワード

#宮沢洋一 #税調 #立憲民主党 #野党 #税財源 #財源確保 #補正予算 #法人税 #租特見直し #非公式会合

全体で1,090字、約3分で読めます

5 日印経済フォーラム(石破首相、モディ首相) 250829午後@帝国ホテル

【ひとこと解説】

 インドのモディ首相が来日しています。人口14億人、平均年齢も若く、経済成長にむけて、投資意欲は旺盛です。IT やAIなど様々な経済分野で協力関係を構築していくための経済フォーラムです。ちなみにモディ首相は厳格なベジタリアンで知られているので、どのような食事でもてなすのかが気になります。

要約

  • 日本とインドは自由、民主主義、法の支配などの普遍的価値を共有する戦略的パートナー。

  • 日本企業がインドに投資し、両国の協力が経済関係を拡大している。

  • 主要な協力分野は人的交流、技術と市場の融合、半導体分野である。

  • インドは政治的・経済的安定を持ち、多くの日本企業が投資している。

  • 両国のパートナーシップはグリーンエネルギー、次世代インフラ、人材育成など多岐にわたる。

キーワード

#石破茂 #モディ首相 #日印経済フォーラム #経団連 #ジェトロ #メイクインインディア #サプライチェーン #半導体 #グリーンエネルギー #次世代インフラ #人的交流

全体で2,615字、約7分で読めます

【あとがき】

 お盆あけの1週間、みなさんどうでしたか。政界では、報道各社の世論調査で石破首相の支持率が上がり、「辞める必要がない」という声も高まりました。一方で、きょうの自民党の参院選総括では厳しい声が相次ぎ、総括はまとまりませんでした。

 来週は政局の1週間です。2日に改めて参院選総括委員会を開いて、総括文をまとめます。同日の午後には、両院議員総会を開いて、総括の党内手続きも終わらせる予定です。また、その総会において、森山幹事長が「自身の責任を明らかにする」と言っていました。森山氏が辞任するのかどうか、2日が最大の焦点になります。

 また、その両院議員総会が終わると、今度は総裁選の前倒しの是非を決めることになります。自民党の党則(4条6項)によると、自民党所属国会議員(衆参で295人)と都道府県連会長(47人)の総数(342人)の過半数(172人)の求めに応じて、総裁選を前倒しする、とあります。石破総裁の任期はまだ2年残っていますが、党内では参院選大敗の責任をトップリーダーに求める声も根強く、どちらに転ぶか読み切れません。

 総裁選前倒しの是非は8日にも実施する見通しです。党執行部側は総裁選前倒しを求めない議員は何もしなくていい、求める議員は党本部に議員本人が署名押印した紙を持ってくること、また氏名を公表する、というルールを設定しました。これには「石破降ろし」側から反発する声があがっています。中立的な旧岸田派の若手議員である神田潤一法務政務官は「憲法にある投票の秘密に反する」と強く反発。むしろ「総裁選前倒しに傾いた」とSNSに投稿しています。執行部側による強権的な締め付けが逆に中間派にまで反発を産む可能性が出たことを意味します。

 同じ旧岸田派の中堅である小林史明環境副大臣も総裁選前倒しに賛成しました。旧派閥を率いていた岸田文雄前首相は態度を明らかにしていない中で、旧岸田派の、それも政府内の役職にある議員から相次ぐ表明に従来の「派閥」単位での政局ではなくなってきた感があります。それとも裏で岸田氏が指令を出しているのでしょうか。いずれにせよ、来週は森山幹事長の去就、総裁選前倒しの是非、と大きな政局の週になりそうです。それでは、良い週末を。(解説とあとがきの文責・今野忍)

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