平将明デジタル相(閣議後会見)

【会見出席記者の要点メモ】
*豪州出張、豪州からのサイバー参考事例、ソルトタイフーンへの対応、概算要求、ガバメントAI、マイナンバーカード更新、総裁選前倒しと政府役職辞任
*(総裁選前倒しを求めるなら政府の役職を辞任すべきか)「たとえ政府にあったとしても、なかったとしても、自由な発言、自由な行動は自由にやられるべきだというふうに思いますし、だからといって政府の役職をわざわざ辞める必要はない」
【豪州出張】
おはようございます。私は、サイバー安全保障担当大臣として、8月25日月曜日から27日水曜日までオーストラリアを訪問し、政府関係者とサイバー安全保障等に関する意見交換を行いました。具体的には、トニー・バーク内務大臣兼サイバー安全保障担当大臣との会談や豪州サイバーセキュリティセンターへの訪問、また、これ以外の関係省庁の取り組みについて説明を受けました。サイバー空間における脅威の認識、官民連携のあり方、人材育成、サイバー安全保障分野におけるAI技術の対応など、幅広い範囲にわたって突っ込んだ意見交換を行ってまいりました。一連の意見交換において、我が国のサイバー対処能力強化法および同整備法の成立、公布に対して祝意が示されるとともに、我が国のサイバー安全保障分野における体制強化についての高い評価と、日豪両国のさらなる連携強化について期待が示されました。両国間で、サイバー安全保障分野における協力を進めることで一致をいたしました。引き続き、サイバー安全保障分野での日豪2国間の連携を一層深めてまいりたいと考えております。
【ソルトタイフーンへの対応】
サイバー安全保障担当大臣として、サイバー攻撃グループ、ソルトタイフーンに関する国際アドバイザリーへの共同署名についてお知らせをいたします。具体的には、米国時間8月27日木曜日、米国政府が主導して作成をしたソルトタイフーンに関するサイバー安全保障アドバイザリーについて、我が国を含む13カ国1の機関が共同署名する形で公表いたしました。今回のアドバイザリーは、ソルトタイフーンによる攻撃手法を技術的に説明した上で、攻撃の検知手法や緩和策を示すものであります。本件のような悪意のあるサイバー活動は我が国の安全保障上の脅威となりうるもので、今回の共同署名の公表により国内でも広く周知されるなど、我が国のサイバー安全保障の強化に資するほか、サイバー安全保障分野での国際連携の強化にもつながるものと考えております。是非とも、重要インフラ事業者の皆様はじめ多くの方にご確認をいただければと思います。
【概算要求】
デジタル庁所管の令和8年度予算概算要求、機構定員要求についてお知らせをいたします。まず、予算の概算要求額は、令和7年度当初予算と比べて約1391億円増となる約6144億円。内訳としては、政府情報システムを一括計上した経費約5930億円、デジタル庁の施策を実施するための経費約19億円、人件費をはじめとした運営経費約195億円となっております。具体的には、デジタル社会実現に向けた重点計画に定めるデジタル化施策を推進するため、ガバメントAIの構築に向けた生成AIの活用環境の整備、マイナンバーカードへの理解促進や利活用支援の拡大、ガバメントソリューションサービスGSS、ガバメントクラウド等の国の情報システムの最適化などに必要な予算を盛り込んでおります。
このほか、予算編成過程において検討する事項、いわゆる事項要求といたしまして、自治体情報システムの標準化、ガバメントクラウド移行後の運用経費にかかる総合的な対策に必要な経費、防衛庁(ママ。後で「防災庁」に訂正)(仮称設置)に伴う政府情報システム関係経費を要求しております。また、デジタル庁の司令塔機能を強化し、社会全体のデジタル化を牽引するため、デジタル行財政改革会議事務局機能の移管に伴う…失礼しました。先ほど防災庁というとこを防衛庁と間違って申し上げましたので、訂正をさせていただきます。事項要求のとこは、防災庁(仮称設置)に伴う政府情報システムの関係経費を要求しているということであります。また、デジタル庁の司令塔機能を強化し、社会全体のデジタル化を牽引するため、デジタル行財政改革会議事務局機能の移管に伴う体制の整備、AI利活用環境の整備など、必要な機構転用を要求しております。デジタル庁としては、各府省と連携しつつ、目指すべきデジタル社会が実現できるよう、必要な予算及び機構定員を確保していきたいと考えております。詳細は事務方にお尋ねください。
【ガバメントAI】
続きまして、デジタル庁では、本年5月以降、ガバメントAIにかかる取り組みの一部として、町内全職員が利用できる生成AI利用環境、プロジェクト名は「源内」、源の内側と書いて「げんない」と読みます。プロジェクト名源内を内製開発で構築をし、国会答弁検索AIや法制度調査支援AIなど、行政実務を支援する複数の生成AIアプリケーションを提供することで、行政の現場での利用状況や課題を把握するための検証を進めてまいりました。この度、その検証結果を取りまとめましたので、本日、デジタル庁のホームページにて公表いたします。庁内では、生成AIの提供が開始された5月から7月までの3カ月間の利用実績を確認したところ、デジタル庁に在籍をする約1200名のうち約950名、全職員の約8割が実際に生成AIを利用し、その利用回数は延べ6万5000回以上、職員1人あたり平均70回程度に達しております。デジタル庁職員に対して実施したアンケート結果アンケート調査の結果、生成AIが事務の効率化に寄与したとする回答が全回答者の約8割になるなど、生成が行政事務の効率化や省力化に有効なデジタル技術であることは明らかとなりました。また、実際に利用した職員から、企画を考える上での壁打ち相手として役立ち、自分の考えをまとめるための情報整理に役立つ、知識不足の法律について知識の底上げをしてくれる、海外文献を扱う業務に取り組めるようになったなど、業務効率化だけでなく、業務の質の向上にも生成AIが有効であったとの声が聞かれました。他方で、一部の職員は積極的に活用している一方で、利用頻度が低い職員が存在することも明らかになったほか、実際に利用した職員からは、いろいろな機能が乱立して最も有効な利用方法がわかりにくい、生成AIの精度が十分でなくあまり役に立たないなど、生成AIを行政に実装させていく上での課題を発見することもできました。今後は、人口減少という我が国の喫緊の課題を解決するための有効なデジタル技術として、政府自らが生成AIの積極的な利用を推進していくべきと考えています。デジタル庁は、政府における生成の活用推進を担当しており、今後も率先して安全、安心な生成AIの活用を推進してまいります。このため、デジタル庁では、本検証で把握した課題の解消を含め、今年度中に一部の省庁等の間で生成AIの利用に向けた検証作業を進め、国と地方公共団体、すなわち行政機関全体に面的に展開する取り組みを強力に進めてまいります。また、世界最高水準の高度な生成AIの開発、利用を目指すため、生成AIに必要な学習用のデータセットの整備や品質の評価手法の確立など、関係機関や民間事業者とも競合、協同しつつ、ガバメントaiの構築に向けた取り組みを総合的に推進をしてまいります。なお、生成AIの医療環境、源内の利用実績やアンケート結果の詳細については事務方にお尋ねください。
【マイナ更新の啓発】
最後に、もう1件お知らせをいたします。マイナンバーカードの有効期限更新に関する広報についてお知らせをいたします。マイナンバーカードは、本年3月にマイナ免許証、6月にiphoneのマイナンバーカードが開始されるなど、活用のシーンが拡大をしてきています。今年はマイナンバーカード発行開始から10年目の年であり、今年度カード発行から10回目の誕生日を迎える約1200万人の方について、カード本体の更新が必要となります。また、マイナポイント第1弾開始から5年となり、今年度この時の発行から5回目の誕生を迎える約1580万人の方について、電子証明書の更新が必要となります。このため、デジタル庁では、マイナンバーカード本体と電子証明書を確実に更新していただけるよう、マイナちゃんとマイメロディーを起用し、カードの安全のために更新が必要であることや、更新手続きの流れを紹介するCMを制作をいたしました。すでに8月22日金曜日からテレビCMとデジタル広告を開始していますが、9月1日月曜日からは、電車内やスーパーマーケットのデジタルサイネージなど、様々な媒体で広報を展開をしてまいります。
国民の皆様におかれましては、カードを安心して利用していただくため、マイナンバーカードと電子証明書の更新をよろしくお願いいたします。私からは以上です。
【豪州の参考事例】
Q:読売新聞。豪州訪問について。SNSなどを通じた外国勢力の選挙介入について、参考にしたいものはあったか。オーストラリア政府とはこの問題について今後具体的にどう協力関係を築いていきたいか。
A:サイバー安全保障、サイバーセキュリティ全般について意見交換をさせていただいたところであります。トニー・バーク内務大臣兼サイバー安全保障担当大臣や豪州のサイバーセキュリティセンター、さらには政府のいろんな部署と意見交換をさせていただきました。事柄の性質上ですね、あまり、かなり突っ込んで意見交換をしておりますので、その内容については詳細はお知らせしないということで相手方と話をしておりますので、ご容赦いただきたいと思いますが、参考になったのはですね、オーストラリア政府としては、かなり政府全体で政府を挙げて、こういった民主主義や選挙、外国からの介入、干渉を防ぐ体制ができてるというのは、確信をしたというか、実感をいたしました。特に先方から示された公開情報にもありますが、EIAT、エレクトラル・インテグリティ・アシュアランス・タスクフォース、直訳すると選挙の正当性保証タスクホースという組織がオーストラリアにあって、そこは選挙管理委員会が、選挙管理委員会のみならず連邦警察や、あとは情報機関、また内務省やいわゆる日本で言うとコミュニケーションやるとこだから総務省か、総務省とか、そういうようなところが一体になってチームを作って、タスクフォースを作ってこの問題に対処しているということであります。なので、この問題に対しては、オーストラリア政府としては大変重要視をし、政府を挙げて、政府全体でタスクフォースを構成をし対応しているということが大変参考になりましたので、我が国としても体制整備に向けて参考にさせていただきたいと思っております。
【総裁選前倒し議論】
Q:NHK。総裁選の前倒しの議論について。自民党は、一昨日、総裁選挙管理委員会を開いて前倒しの実施を求める国会議員は署名と捺印をした署名を提出することとして、さらに議員の名前も公表するということになりました。こうした対応になったことについて、大臣はどう受け止めるか。その上で、平大臣、石破内閣の一員でもあるが総裁選、前倒しをする必要があると思うのか、逆に不要と考えているか。
A:これ、党で決めることだと思っております。総裁選選挙管理委員会が決めた通りに粛々と進めていただければという風に思います。私自身は石破内閣の閣僚でありますので、強いて言えばまな板の鯉の側でありますので、特に、なんて言うんですかね、こうあるべきだというようなことは発言をする気はございませんので、党が決めていただいた通りにですね、進めていただければという風に思います。また、名前を公表云々っていう話で色々議論になってると思いますが、私、どっかでも申し上げたかもしれませんけど、国会議員でありますので、自分の意見は、なんて言うんですかね、自分の名前を表明して自分の意見を言うっていうことに関してはですね、私自身は違和感は、1人の政治家として違和感はありません。以上であります。
【総裁選前倒しと政府役職辞任】
Q:TBS。関連。小林環境副大臣や神田法務政務官が総裁選の前倒しが必要だと意思表示し、神田政務官に関しては、必要であれば辞任をしてでも前倒しを求めるというようなことを言っているが、総裁選の前倒しを求める場合は、やはり石破内閣の一員としては辞任がする必要があるのか。こういった辞任が続いた場合の石破政権の政権運営への影響はどうか。
もう1点、オーストラリア訪問に関連して、外国勢力の選挙介入に関連して、例えば新しい法律を作るですとか、今後の政府としてどのような対応していくお考えか。
A:まずですね、自由民主党のいいところはですね、忖度なく、いろんな発言ができ、いろんな行動ができるということだと思います。私もですね、だいたい体制側にはいつも反発をして、政治行動をしていたことが多かったと思いますが、だからといって、何かペナルティを課されたことはですね、自民党内では1回もありません。なのでですね、自民党ってのは、そういうことがですね、なんていうのかな、党の良さだという風に思いますので。★たとえですね、政府にあったとしても、なかったとしてもですね、自由な発言、自由な行動は自由にやられるべきだというふうに思いますし、だからといってですね、政府の役職をですね、わざわざ辞める必要はないと私自身は思っています。その後の対応については、仮定のご質問なので、ちょっとお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
また、オーストラリア訪問にあたってですね、こういった外国勢力からの内政干渉云々についての法律の整備についてはですね、今、現段階では、今、内閣官房においてですね、こういったことが取り沙汰をされていますので、どういったですね、対応をするのか、どういった組織の機能強化をするのか、まさに今議論をしているところでありますので、今の時点でですね、何かお伝えできることはないということであります。ありがとうございました。
(止め)
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