【展望リポート】日本はパートナー、李在明韓国大統領が掲げる「実用外交」の真の狙い
韓国の李在明大統領が23日に来日し、石破茂首相と会談します。韓国大統領が就任後、同盟国の米国より先に日本を訪れるのは異例で、対日関係重視を鮮明にしました。歴史認識や領土問題をめぐって日本に厳しい発言を繰り返してきた李氏の態度が一変したかのようにも映ります。その狙いはどこにあるのでしょうか。(元ソウル特派員・鈴木拓也=DEEP POLITICS編集部)
DEEP POLITICS 編集部
2025.08.22
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就任直後から訪日模索、歴史問題で対日批判を封印
李氏は、尹錫悦前大統領の罷免に伴う今年6月の大統領選に勝利して就任。直後にカナダで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)に招待され、「外交デビュー」を果たした。日韓両政府の関係者によると、この際に石破氏と初めて対面で会談した李氏は、石破氏に好印象を抱き、早期訪日を熱望。韓国側は7月の参院選前の訪日を打診した。韓国の歴代大統領は保守、進歩(革新)を問わず、日本と同様に同盟国の米国との関係を最も重視し、訪米を優先してきた。トランプ政権との関税交渉の行方が定まらない時期だったとはいえ、李氏は、国際会議の出席を理由としない最初の訪問国に、日本を選んだのだ。
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- 大統領府関係者が明らかにした「実用外交」の真意
- トランプ関税に戦々恐々、李氏の内憂外患
- モデルは金大中、南北対話に向けて日本を味方に
- 韓国の世論次第では対日外交転換も
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